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交通事故で労災保険を利用した方が良い場合とそうでない場合について

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労働者であれば必ず加入しているのが労災保険になります。仕事中や通勤中に交通事故に遭った場合には、労災保険の適用も受けられることになります。
代表弁護士 山田 雄治 (やまだ ゆうじ)

労災保険とは

労災保険は、業務上の事由または通勤による労働者の負傷、疾病、障害または死亡(業務災害及び通勤災害)に対して、保険給付が行われる制度になります。労災保険の保険料は全額事業主が負担することになっており、労働者には保険料の負担はありません。

労災は、原則として事業単位で適用されます。そのため、その事業に使用される労働者(正社員のみならず、パート、アルバイト等も含む)は、その事業に使用されている間、労災保険の保護を受けることができます。

労災保険と健康保険は併用できない

負傷や疾病に対する保険制度には、健康保険もあります。

健康保険は業務災害以外の事由による疾病、負傷、死亡等に対して保険給付を行うものですから、労災の適用がある場合には、健康保険を使うことはできないことになります。

労災保険と自賠責の併用も不可

交通事故の場合には、自賠責から損害賠償金を受け取ることもできます。もし自賠責を使った場合には、労災を使うことはできません。

自賠責は国土交通省が、労災は厚生労働省が管轄となっており、どちらも国が支払うものですから、二重取りはできないことになっているのです。

政府としては交通事故では自賠責を優先して使うよう内部通達を出しており、労災の申請のために労働基準監督署へ行くと、自賠責を使うように勧められることがあります。

しかし、必ず従わなければならないわけではなく、どちらを使うかは自分で自由に決められます。

労災保険を使った方が良い場合

自賠責では被害者の過失割合が7割を超えると保険金が減額されますが、労災では過失割合によって減額されるというルールはありません。

そのため、被害者自らの過失が大きい場合には、労災を使った方が良いことになります。

また、加害者が任意保険にしか加入していない場合自賠責だけでは十分な補償が受けられない可能性がありますから、労災を使った方が補償額が大きくなることがあります。

自賠責を使っても労災から受けられる給付金

交通事故で自賠責を使った場合には、原則として労災は使えません。しかし、自賠責を使った場合でも、労災から休業特別支給金を受けることはできます。

労災の休業特別支給金は、加害者から受け取る休業損害から差し引かれることもなく、申請した方が得になります。

労災保険の手続きはお任せください

交通事故の被害者の方は、労災保険を使うことでメリットになる場合があります。

労災保険のしくみや手続きについてはわかりにくく、せっかく受けられる給付を逃してしまう可能性もあります。

当事務所では、労災保険のほかあらゆる制度を利用して、交通事故の被害者の方が少しでも安心できるようなサポートを行っていますので、ぜひご相談ください。

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