後遺症の逸失利益で適正な賠償を受ける為に必要なこと
後遺障害の逸失利益とは
交通事故で後遺障害が生じた場合、それまでよりも労働能力が低下し、将来発生するであろう収入も減ってしまうことが考えられます。被害者にとってみれば、交通事故がなければ収入が減少するような事態にはならなかったわけですから、それについても賠償してもらわなければ納得がいかないはずです。
交通事故が原因で減ってしまった収入は、「逸失利益」と呼ばれます。
交通事故の被害者は、逸失利益についても加害者に賠償を請求することができます。逸失利益を具体的に計算するのは現実には困難であるため、以下のような計算式を用いて算出を行います。
逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
基礎収入とは?
原則として事故時の収入になります。サラリーマンの場合には、事故発生の前年度の源泉徴収票の年収額を基準とし、個人事業主等は原則として前年度の申告所得額をもとに算出します。
収入のない幼児・児童・生徒・学生や専業主婦は、賃金センサスの平均賃金を使って計算します。
労働能力喪失率とは?
後遺障害により労働能力がどの程度失われたかを割合で示したものです。後遺障害等級によって5%から100%まで基準が定められています。
労働能力喪失期間とは?
原則として67歳までの期間となります。高齢者の場合には,67歳までの年数と平均余命の2分の1の長い方になります。
ライプニッツ係数とは?
交通事故の損害賠償では、逸失利益として長期間のうちに発生する収入減を一時金で受け取ることになるため、中間利息を控除する必要があります。この中間利息控除のために使うのが、ライプニッツ係数になります。
適正な逸失利益の賠償を受けるために
逸失利益の賠償を受けるためには、前提条件として、後遺障害の認定を受けなければなりません。
たとえ後遺障害の認定を受けても、適正な等級に認定されなければ、逸失利益が低く算定されてしまいます。
また、加害者側の保険会社から逸失利益の提示がある場合には、基礎収入が低く見積もられていることもあります。このような場合にも、基礎収入は動かせないというわけではなく、昇給の可能性を訴えるなどして基礎収入を上げることは可能です。
弁護士に依頼すれば、必要な証拠を揃えて保険会社側と交渉することが可能になりますから、賠償額が大きく違ってくることになります。
弁護士にご相談頂くのが最も確実
交通事故の被害者が逸失利益について適正な賠償金を受け取るためには、弁護士に依頼するのが最も確実な方法です。
後遺障害等級認定から示談交渉までトータルなサポートが受けられますから、賠償金の額が大きく増えることになります。